指揮者になりました。 ~「精いっぱい頑張る」ではない音楽の楽しみ方~

ブログを始めてみました。 きょうやです。 

今回は、自分が代表・指揮を務めている音楽団体「はるかぜシンフォニックバンド」について、その中でどういった合奏や音楽を目指すか、ということについて書きます。 

「はるかぜシンフォニックバンド」について

自分は大学入学後、「東京大学ブラスアカデミー」(以下「ブラアカ」と言います)という吹奏楽団体に3年間所属していました。「はるかぜシンフォニックバンド」(以下「はるかぜ」と言います)はそのOB・OGを中心とする吹奏楽団体で、昨年から参加させていただいています。

この2つの団体は、練習の密度や温度感といったものが全く違います。「ブラアカ」は練習の密度や温度感がとても高く、濃密に音楽とかかわっていくことができる場でした。一方、「はるかぜ」のほうは、いわゆるOB団体ということで練習もあまり多くなく、ブラアカに比べるとかなり「ゆるい」音楽団体だと思います。

そういった対比の中で昨年は両団体の演奏会に乗っていたのですが、ブラアカはもちろんのこと「ゆるい」音楽団体としてのはるかぜの演奏会も思いのほか楽しかったことを覚えています。(曲が面白かったのと、合奏の雰囲気が心地良かったのだと思います。)自分は、今まで音楽を「精いっぱい練習して、その達成感を味わう」という方法で楽しんできたのですが、昨年のはるかぜの演奏会では、「精いっぱい」というものが無くても音楽を楽しめることを知りました。

…みたいなことを考えていたら、色々あって今年ははるかぜの代表と指揮をやることになってしまいました(笑)。はるかぜは「ゆるい」団体でもしっかり音楽を楽しめる場所で、自分が運営してでももう少し存続してほしいな、と思ったのです。 

「精いっぱい頑張る」ではない音楽の楽しみ方

自分は吹奏楽コンクールに出て音楽をすることがとても好きです。たった2曲のために何か月も「精いっぱい頑張って」音楽を作っていくのですが、そうして出来上がった音楽は本当に美しく、今でも忘れられない思い出になっています。

しかし、音楽はそういったことでしか美しくならないようなものではなく、もっと多様な楽しみ方ができるくらいの力を持っている、とも思っています。

はるかぜの指揮者としては、コンクールやブラアカのような温度の高い演奏の下位互換になるつもりは全くなくて、「ゆるい」団体だからこそできる音楽の楽しみ方を追求していきたいと思って合奏を計画しています。

(ですので、はるかぜにおいては「合奏への貢献」や「頑張り」をコンプレックスの材料にしないで欲しいです…!)

少しだけ具体的にすると、自分の合奏では「曲を知って楽しもう」を目標にしています。ですので曲にまつわる理論の紹介を詳しめに行ったり、あえて様々な解釈の仕方を提示したりすることで、その曲が持つ色々な姿を見ていけたら良いと思っています。自分の合奏では、正解と思われる音楽に最短ルートで到達することは目指さず、むしろたくさん寄り道をしながら全体として豊かな音楽体験ができればと思います。

(実際に合奏に反映できているかどうかは不安なので、奏者の方は感想・意見などがあったらどんどん言ってください…!)

というわけで、これを読んでいただいているはるかぜの奏者の方に1つ要望があります。合奏中は、ぜひ他の人の音も聞いてみましょう!「曲を知って楽しむ」ことは、曲を上手く演奏するだけでなく、曲を上手く聞くことも意味しています。指揮者としても、吹いていない時間も楽しめるように頑張ります。

まとめ

はるかぜに対する形容詞にずっと「ゆるい」という言葉を使っていました。「ゆるい」というと「だらしない」といったマイナスの意味が付きがちなのですが、そうではなくて、「力が抜けた状態」という意味での「ゆるい」団体になれば良いと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

 

はるかぜシンフォニックバンド 第3回演奏会

2019年3月2日(土) 15:30開場 16:00開演

@タワーホール船堀 大ホール

曲目:

♪ プスタ〜4つのジプシー・ダンス (J.ヴァン=デル=ロースト)
♪ 波の見える風景(改訂新版) (真島俊夫
シンフォニア・ノビリッシマ (R.ジェイガー)
♪ キラキラ星変奏曲 (天野正道

ほか

www.harukaze-symphonicband.net